2023年6月2日金曜日
JELADO 18周年記念300着限定! Age of Longing 406 EXX[JP82406EXX]
遂に明日リリースとなるジェラードの18周年記念300着限定"406EXX"ですが、今回の生産も私がいつもお世話になっている矢掛町の藤枝被服でしたので、少しだけお邪魔してお話を伺いました。
そもそも今回のジャケットですが、当然定番の白タグのセカンドモデルを黒タグに生地変えしただけではなく、ポケットや襟まわり等の型紙を新たに起こし、縫製仕様などもターゲットにしたヴィンテージをベースに、今回もまたかなり細かい指示があったようです。
お母さんが、ジェラードのジージャン製作は本当に大変としみじみ仰られていました。
工場あるあるなのかどうか分かりませんが、サンプルのそれぞれの箇所にガムテープにマジックで一般的な仕様とは違う注意点を大きく記入し、ミスのないようにしていました。
ターゲットにしたモデルや年代、各部の仕様や細かい拘りなどはジェラードチャンネルや先日の"Dig-it"でも色々とご覧になった方もおられるかと思いますが、それ以外の工場リポートならではのところを少しだけご紹介させていただきます。
襟の大きさをやや大きく変更したのはジェラードチャンネルでも触れられていて見た目で分かる部分ですが、更にこの部分の縫い代もヴィンテージに基づいて変更されています。
通常当然真っ直ぐ型紙を作る部分をヴィンテージ通り、やや歪んだ型紙にしています。
中に入っている部分なので新品時には全く分かりませんが、数年着込んでアタリが出てくる頃にはこの辺りの細かい拘りも露わになってくるでしょう。
ポケットの縫い代もヴィンテージに倣い、通常より大きめに取られているのでしっかりとアタリが出るでしょう。
そして今回の大きいポイントの一つとして、硫化染料で染めた縫製糸を作製して使用しているという点です。
これは現在ではほぼない糸との事で、デニム生地に合わせてヴィンテージ同様に糸の褪色も起こるよう使われているのですが、この糸を使って生産するのは工場も非常に大変だったとの事です。
糸が通常の綿糸より更に滑りが悪く、引っかかって切れやすい為、いつもよりかなりスピードを落として注意を払いながらの生産になるようです。
ジージャンに製品化された糸では違いが分かりませんが、縫われる前の束上の糸を触ると明らかにザラザラして滑りが悪そうなのが分かりました。
しかしながら切れやすいとはいえ、縫製時に引っかかって切れやすいという事で、通常の着用においては一般的な綿糸より特に強度が劣るという訳ではないようです。
リーバイスに基づき、力の掛かる部分は伸縮性のあるチェーンステッチでの縫製仕様になっていますし、むしろ着込んだ際にはチェーンステッチの絡まった糸が引っかかって解けにくいようです。
この糸の褪色に関しては別の話で面白い話があるのですが、今回は長くなったので、また別の機会にご紹介させていただきます。
他にも襟のステッチの縫い始めと縫い終わりの糸が重なる部分も一般的な肩線ではなく左襟の目に付く部分にあったり、サイドアジャスターのボタン位置が通常よりタブ側に近く、二つのボタンの間隔も狭くなっています。
ジェラードチャンネルも是非またあらためてご確認いただき、なおかつジェラードの更なる細かい拘りが詰まった18周年記念限定モデルに相応しい出来栄えとなっておりますので、是非明日の入荷を楽しみにお待ち下さい。
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